活動報告

発足記念シンポジウム(2006(平成18)年10月20日(金))

■主催者開会挨拶

大学コンソーシアムひょうご神戸理事長 神戸大学長 野上 智行

失礼いたします。大学コンソーシアムひょうご神戸の発足の記念シンポジウムということで、今日こういう会を持てますことを本当に喜んでおります。この兵庫県下に、大学のコンソーシアムを作ろうということで、どういう形になるかどうかも分からず検討を始めたのが昨年の11月のことで、1年も満たない間に、こういう形のものを作ることができた、というのは大変ありがたいことだと思います。これができましたのは、県下における大学のそれぞれが置かれています現状を考えた時に、国立とか公立とか私立とかいった、それぞれの立場を越えて、県下の大学が我々のなすべきことを、地域とともにいかに歩んでいくか、地域において大学はどのような役割を果たすことができるのか、そういったことを真剣に考える必要がある、という状況も背景にあったということは誰もが認めることができると思っております。

最近の大学を取り巻く状況を見ておりますと、一番の大きな課題は財政的なことで見ますと、国の来年度予算仕組みの中に、国立大学は法人化をして、毎年1%ずつの運営費交付金削減というフレームの中に入れられたということがございますが、来年度から国立も私立も、大学に対する助成金も合わせて同じように一律1%カットというフレームに入って行きました。これまでは国立大学と私立大学との関係というのは、いろいろ我々の議論の対象になっておりましたけれども、国そのものが高等教育に対して、一定のフレームにデクラインする方向にシフトするというスタンスを取るということに対して、私自身、大きな危惧を感じております。世界の中で高等教育の果たす役割というのは、それぞれの国において高等教育の果たす役割は自明のはずであると思っておりましたし、我々全体、納税者としての我々が高等教育をきちんとはぐくみ、育成するというのは誰もが反対しないにも関わらず、そういった厳しい環境にシフトするというのは一体どういうことなのかと非常に不安感を持っております。国際的に見ましても、大学は自分のところの学生だけを育てるというのではなく、言葉は良くないかも知れませんが、市場という言葉を使うといずれの大学も世界に市場を求めている。世界中から学生を集めて大学のミッションを果たそうとしている環境にあります。こういった中で個々の大学が単独でアクションをおこすということは、そこには限界があって、大学の地域における役割、未来における役割を考えた時に、やはり大学が一つになって、それぞれの建学の精神をこえて、一緒に共同することによって地域にとって不可欠な存在となる、そして我々自身の未来を築く上で不可欠な存在となる、とそのことを確実にしなければならない。そのように考えておりまして、県下の大学長が集まりこうしてコンソーシアムを作って地域の自治体のご支援をいただきながら、そしてパブリックセクターだけではなく、プライベートなセクターでもご支援を頂きながら大学としての役割を果たしていくと、これをできるものとしてコンソーシアムを作り上げたということであります。まだスタートしたばかりでありますので、これから私どもが、私どもの道を見いだすということになると思います。

本日のシンポジウムは、大学というのは大学人として当然やるべきことは認識しておりますが、社会は一体大学に何を求めているのか。このことを問うてみる。私たち大学人が思っている社会が私たちに求めているものと、現実の現代の社会が大学に求めているものとの間に、もしかしたら大きな開きがあるかも知れない。そこの所を今日探ることができれば、という風に思っています。今日のシンポジウムでは、まず、最初にパネリストとして更家様、松尾様、そして天野様においでいただいて、コンソのメンバーである、濱名がパネリストに加わり、杉村学長に司会をしていただくということで、まず本当に記念すべきシンポジウムの最初ということです。そして我々コンソーシアムの一番はじめの事業ということで、今日の日が「大学コンソーシアムひょうご神戸」の次のステップに大変重要な役割を果たしたということになるためには、今日ここにお集まりの皆さんの英知を結集してこのシンポジウムを成功させ、ぜひ兵庫県下の大学が我が国のコンソーシアムの中でも本当に重要な役割を果たせるモデルになれるような、そういう役割も果たせたら、と思っております。つたない挨拶でありましたが、この「大学コンソーシアムひょうご神戸」の最初のシンポジウムを開催できるということを、理事長を仰せつかっているものとしてお礼を申し上げまして、皆様方と一緒に歩みたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

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