活動報告

発足記念シンポジウム(2006(平成18)年10月20日(金))

■来賓ご挨拶

兵庫県出納長 武田 政義様

ただいま紹介をいただきました、兵庫県出納長の武田でございます。昨年までは県の教育長をいたしておりましたので、本日お集まりの学長の皆様、その他関係者の皆様方には、その当時、高大交流でありますとか、生涯学習への支援等、大変お世話になりました。この席をお借りして、まずはお礼を申し上げます。

本日は大学コンソーシアムひょうご神戸の発足を記念してのシンポジウムが、皆様おそろいで盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げます。先程、野上理事長からご紹介がありましたように、このコンソーシアムは、兵庫・神戸の特性であります国際性というものに着目をして県内の大学が一致結束して課題解決にあたろうということで本年6月にスタートされたと聞いております。兵庫県は、ご案内のように都道府県別で数えてみますと、全国で4番目に大学が多い県でございます。そのような大学資源を私たち行政といたしましても最大限に活用させていただく、あるいは連携をさせていただいて、地域の振興、あるいは県民の教育環境の向上につなげていければ幸いだというふうに考えております。

今日のシンポジウムのテーマは「社会は大学に何を期待するか」ということでございますが、まず平成8年1月に橋本龍太郎さんによる一時内閣がスタートした際に教育の改革を含む6つの構造改革が打ち出されました。以来10年、行財政あるいは社会保障、金融等諸々の改革が進められて参りました。景気の低迷等いろいろありましたけれども結果として日本は成熟社会に突入いたしました。そういった中で一番大きく変わったのは人々の価値観であると言われています。人生50年時代に構築されました教育システムは、人生のある時期、即ち、社会に出る前の時期に、生涯に必要な全知識技能を詰め込むというものでした。人生80年時代になった今、このシステムが通用するのかどうか。即ち、今の教育システムが構築されて以降、グローバル化、高度情報化等々私達を取巻く環境は大きく変わっています。社会のシステムが規制から競争、あるいは措置から選択へといった時代でむしろ国民一人一人が自己の責任で自己の進路を決定していく社会に変わった今、教育のシステムがこのままで良いのかどうかが問われています。

「社会は大学に何を期待するか」を語るとき、この「社会」というのが地域社会なのか、あるいは日本社会なのか、国際社会なのかということも明確にする必要があります。この「社会」すら概念が大きく今変わろうとしています。日本の教育が世界に冠たる日本ということを目指した時代の教育システムが今残っているとすればこれは変えざるを得ません。国際社会の中で日本はどう貢献するか、あるいはそういった社会で通用する日本人をどう育てていくか、というテーマに取りかかる必要があると思います。しかし、また一方で日本とか欧米諸国といった国家を意識する教育に加え、本来の人間性、人格形成ということもまた、テーマになろうかと思います。私ども兵庫県の行政といたしましては、さしあたり兵庫県民の人生80年時代をそれぞれがどう有意義に、あるいは自分たちがこの兵庫というふるさとの中で人生を全うできるか、その基盤としての教育がどうなっていくのかが最大の関心事であります。

大学へ入ることが最終の目的であった不幸な時代がありました。受験戦争です。大学に入ることが人生の目的、そのことで自動的につながっていくエスカレーター社会や、終身雇用制がゆらぎ、そして、今、子どもたちを取り巻く諸問題が起こってきています。これからは再チャレンジできる時代と言われておりますけれども、人生80年の中でもう一つの人生、あるいは二つめの人生もやり直しがきく社会であります。生涯を通じてその時期に必要な資格、免許を取り、あらためて別の人生を送ることも可能な社会になりつつあります。そういうことから考えますと、私どもは大学教育が本来、ゴールであったのか社会への出口であったのか問い直す必要があります。このような観点から見ますと大学の関係者の皆様方には県民が生まれてから死ぬまで、生涯に渡ってお付き合いをしていただく、そういう教育機関であって欲しいという願いがあります。少子化という問題で、大学は経営面で現在揺れ動いておりますけれども、少子化という数の概念よりもむしろ生涯を通じての教育の必要性というものを考えますと、皆様方にぜひ頑張っていただきたいという期待と可能性こそ大きいのではないかと思います。行政の側も生涯学習社会への対応という意味で責任がますます大きくなっていくのではないかということで、先生方を相手に口はばったいことを申し上げました。

従来から、学長と知事の懇話会を開催させていただいてきた中で、その成果として、大学洋上セミナーあるいはひょうご大学連携ひょうご講座、あるいはHUMAPでの留学生の受入れ等、一つずつ取組みを進めて参りましたが、これらの基盤の上に立って更なる飛躍にこのコンソーシアムがつながりますように、私どもも連携し支援をさせていただきたいと思っているところでございます。

最後になりましたが、理事長を務められます野上先生以下、発起人大学、あるいは連携に参加される大学の皆さんがそれぞれの大学のもつ特色を発揮され、その上に立ってさらなる強固な連携のもとに兵庫の教育が充実発展されることを祈念いたしまして、このコンソーシアムの発足と今日のシンポジウムの開催にあたりましての祝辞とさせていただきます。ほんとうに、おめでとうございました。

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